消極的に一直線。【完】
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脳内を揺るがすように響いたチャイムの音で、遠くにあった意識がだんだんと自分の元へ戻ってきた。
重い瞼をゆっくり開ける。
視界に映ったのは、少しオレンジがかった空を切り取る教室の窓。
あれ、どうして。
まだ覚醒しきれない思考をゆっくり動かしながら、体を起こす。
「あ、起きた」
耳に近い距離から柔らかな声が聞こえて、トクンと、心臓が大きく跳ねた。
ハッと窓から視線を移すと、前の席の椅子に跨って、椅子の背の上で頬杖をつく颯見くんの姿。
「おはよ」
クシャッと笑った颯見くんに、鼓動が揺れる。
「お、おは、おは、よう……?」
「ふは、寝起き」
笑った颯見くんに鼓動を鳴らしながら、この状況を把握しようと思考を巡らせる。
そうだ。
私、颯見くんが部活を終わるのを待っていて。
颯見くんのことを考えていたら課題が手につかなくて。
いつの間にか眠ってしまったの?
何気なく時計に目をやると、針は七時を大きく過ぎていた。
「あ、あれ、七時、私、ごめんなさいっ」
ガタッと立ち上がると、颯見くんはまた、ふは、と笑った。
「大丈夫」
そう言って、よいしょ、と跨っていた椅子から足を抜いて立ち上がる。
「帰ろっか」
ものすごく待たせてしまったはずなのに、溶かされそうなほど優しい声に、また私は心臓を高鳴らせた。
頷いて、広げていた問題集を片付けて、鞄を持って、颯見くんと教室を出る。
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脳内を揺るがすように響いたチャイムの音で、遠くにあった意識がだんだんと自分の元へ戻ってきた。
重い瞼をゆっくり開ける。
視界に映ったのは、少しオレンジがかった空を切り取る教室の窓。
あれ、どうして。
まだ覚醒しきれない思考をゆっくり動かしながら、体を起こす。
「あ、起きた」
耳に近い距離から柔らかな声が聞こえて、トクンと、心臓が大きく跳ねた。
ハッと窓から視線を移すと、前の席の椅子に跨って、椅子の背の上で頬杖をつく颯見くんの姿。
「おはよ」
クシャッと笑った颯見くんに、鼓動が揺れる。
「お、おは、おは、よう……?」
「ふは、寝起き」
笑った颯見くんに鼓動を鳴らしながら、この状況を把握しようと思考を巡らせる。
そうだ。
私、颯見くんが部活を終わるのを待っていて。
颯見くんのことを考えていたら課題が手につかなくて。
いつの間にか眠ってしまったの?
何気なく時計に目をやると、針は七時を大きく過ぎていた。
「あ、あれ、七時、私、ごめんなさいっ」
ガタッと立ち上がると、颯見くんはまた、ふは、と笑った。
「大丈夫」
そう言って、よいしょ、と跨っていた椅子から足を抜いて立ち上がる。
「帰ろっか」
ものすごく待たせてしまったはずなのに、溶かされそうなほど優しい声に、また私は心臓を高鳴らせた。
頷いて、広げていた問題集を片付けて、鞄を持って、颯見くんと教室を出る。