消極的に一直線。【完】
手を繋いだり、キスをしたり。



考えると、ドクドクと脈が熱を帯びる。



特に、キス。



私と、颯見くんが、キス……?



ふわりと浮かんだ妄想に、一気に脈が速度を上げた。



頬が熱い。



「キ、そんな、私、」


「雫顔真っ赤」



指摘されて、咄嗟に顔を手で覆った。



恥ずかしい。


すごく、恥ずかしい。



だけど、颯見くんとキスする日が来るのかな、なんて少し期待してしまう自分が、もっと恥ずかしい。



キス、って、どんな感じなんだろう。



どんな風にするんだろう。



颯見くんに抱き締められるだけでも、あんなに鼓動が煩いのに、キスなんてしちゃったら、どうなっちゃうんだろう。



颯見くんと、キス。



また想像してしまって、それを振り落とそうと頭を振った。
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