消極的に一直線。【完】
私は、鈴葉ちゃんの姿を見届けて、再び足を進めた。
校舎に入ってすぐの靴箱で、上靴に履きかえようと、ローファーを脱いだとき、ペタペタと足音が近づいてきた。
茶色より少し明るい、内巻きの髪。
メイクもしっかりしていて、少し短かすぎるぐらいのスカートを綺麗に着こなしている。
同じクラスの寺泉(てらいずみ)さん。
「マジあっつい!」
独り言を呟きながらローファーを脱ぐ寺泉さんを横目で確認する。
二学期こそ、クラスに友達、作りたい。
話しかけるなら、今、かな。
そう思うと、鼓動が主張し始めて、息があがりだした。
でも。
話しかけないと、友達なんてずっとできないまま。
速くなる鼓動を鎮めるために胸に手を当てる。
深く、息を吐いた。
今だ。
「お、おは、よ、う」
出した声は、思ったよりも小さくて。
寺泉さんは私に気付かないまま、ペタペタと歩いて行ってしまった。
駄目だった……か。
こんなことは今まで何度も経験していて慣れているはずなんだけど、何度経験してもやっぱり落ち込んでしまう。
こんなので、二学期こそはクラスに友達を、なんて――。
ううん。
また、次、頑張ろう。
脱いだままのローファーを靴箱に入れて上靴に履き替え、階段を上って一年十二組の教室へと向かった。
教室のドアをガラガラっと開けると、何人かのクラスメートがちらっとこちらを見た。
でも、私の姿を確認すると、なぁんだというような態度で、また仲間と話し始める。
いつものことだけど、やっぱり少し傷ついてしまう。
別にいじめられているわけでもない。
無視されてるわけでもない。
だけど、上手く馴染めない。
校舎に入ってすぐの靴箱で、上靴に履きかえようと、ローファーを脱いだとき、ペタペタと足音が近づいてきた。
茶色より少し明るい、内巻きの髪。
メイクもしっかりしていて、少し短かすぎるぐらいのスカートを綺麗に着こなしている。
同じクラスの寺泉(てらいずみ)さん。
「マジあっつい!」
独り言を呟きながらローファーを脱ぐ寺泉さんを横目で確認する。
二学期こそ、クラスに友達、作りたい。
話しかけるなら、今、かな。
そう思うと、鼓動が主張し始めて、息があがりだした。
でも。
話しかけないと、友達なんてずっとできないまま。
速くなる鼓動を鎮めるために胸に手を当てる。
深く、息を吐いた。
今だ。
「お、おは、よ、う」
出した声は、思ったよりも小さくて。
寺泉さんは私に気付かないまま、ペタペタと歩いて行ってしまった。
駄目だった……か。
こんなことは今まで何度も経験していて慣れているはずなんだけど、何度経験してもやっぱり落ち込んでしまう。
こんなので、二学期こそはクラスに友達を、なんて――。
ううん。
また、次、頑張ろう。
脱いだままのローファーを靴箱に入れて上靴に履き替え、階段を上って一年十二組の教室へと向かった。
教室のドアをガラガラっと開けると、何人かのクラスメートがちらっとこちらを見た。
でも、私の姿を確認すると、なぁんだというような態度で、また仲間と話し始める。
いつものことだけど、やっぱり少し傷ついてしまう。
別にいじめられているわけでもない。
無視されてるわけでもない。
だけど、上手く馴染めない。