消極的に一直線。【完】
それから、十数回、続けて練習した。


だんだんとタイミングが長い間合うようになってきて、佐藤さんがタイミングを掴んできているのがわかる。



もう何度足踏み練習したかわからないときに、佐藤さんがまた声をかけた。



「次、前に進めそう。なんだかうまくいけそうな気がするの」


「確かにタイミング合ってきた気がする。やってみよう」



じゃあ、と倖子ちゃんが声をかける。



「いくよ。せーの」



掛け声に合わせて、足を前に出す。いち、に、いち、に、と進んでいく。



だけどその声は、ちょうど十歩目に到達した後から、まるで叫び声のように甲高くなった。



十歩目を過ぎても、どんどん前へ進んでいく。
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