消極的に一直線。【完】
体育祭が終わると、すぐに文化祭がやってきて、一年生は合唱しかできなかったけど、それなりに楽しんで、文化祭も終わった。
秋だと思っていた季節は、いつの間にかじんじんと身に染みる寒さになり、十二月。
期末試験が迫ってきていた。
「今日からテスト一週間前かぁ……」
昼休み、教室の隅で机を二つくっつけ、ひろげたお弁当箱をお箸でつつきながら、倖子ちゃんが言った。
もうすっかりと、こうやって倖子ちゃんと一緒にお弁当を食べることが、自然になっていた。
「雫って結構成績いいんだっけ?」
倖子ちゃんに訊かれて、少し考えた。
学期末にもらう通知表は、体育以外、五段階評価の五しかない。
でも定期テストは、いつも平均より少しいいか、平均ぐらいの点数だ。
「テストは、平均ぐらい、だと思う」
答えると、倖子ちゃんは、そっかー、とウインナーを口に入れる。
んー、と唸りながら口をもぐもぐと動かす倖子ちゃん。
ごくり、と喉から音が聞こえて、またお弁当箱をお箸でつついた。
「んじゃさ、放課後、一緒に図書室で勉強しない?」
中間の二の舞だけはごめんだし、と苦い顔を浮かべる。
「あたしさ、部活ないと遊んじゃうんだよね。お願い、雫」
懇願されるように手を合わせて言われて、私は慌てて頷いた。
「まじで? ありがとー!」
倖子ちゃんはそう声をあげて、またもう一つ、ウインナーを口に入れた。
お願いされて承諾したような形になったけど、むしろそんなこと、私の方から頼みたいぐらい。
放課後に、図書室で、友達と勉強。
今まではどんなに妄想しても、夢のなかでしか叶わなかったようなこと。
勉強は、嫌いではないけれど、友達と一緒にする勉強は、少し楽しかったりするのかな。
「今日からテスト始まるまで一週間、よろしく!」
倖子ちゃんは張り切って、さっきまでなかなか進まなかった食事を進めた。
秋だと思っていた季節は、いつの間にかじんじんと身に染みる寒さになり、十二月。
期末試験が迫ってきていた。
「今日からテスト一週間前かぁ……」
昼休み、教室の隅で机を二つくっつけ、ひろげたお弁当箱をお箸でつつきながら、倖子ちゃんが言った。
もうすっかりと、こうやって倖子ちゃんと一緒にお弁当を食べることが、自然になっていた。
「雫って結構成績いいんだっけ?」
倖子ちゃんに訊かれて、少し考えた。
学期末にもらう通知表は、体育以外、五段階評価の五しかない。
でも定期テストは、いつも平均より少しいいか、平均ぐらいの点数だ。
「テストは、平均ぐらい、だと思う」
答えると、倖子ちゃんは、そっかー、とウインナーを口に入れる。
んー、と唸りながら口をもぐもぐと動かす倖子ちゃん。
ごくり、と喉から音が聞こえて、またお弁当箱をお箸でつついた。
「んじゃさ、放課後、一緒に図書室で勉強しない?」
中間の二の舞だけはごめんだし、と苦い顔を浮かべる。
「あたしさ、部活ないと遊んじゃうんだよね。お願い、雫」
懇願されるように手を合わせて言われて、私は慌てて頷いた。
「まじで? ありがとー!」
倖子ちゃんはそう声をあげて、またもう一つ、ウインナーを口に入れた。
お願いされて承諾したような形になったけど、むしろそんなこと、私の方から頼みたいぐらい。
放課後に、図書室で、友達と勉強。
今まではどんなに妄想しても、夢のなかでしか叶わなかったようなこと。
勉強は、嫌いではないけれど、友達と一緒にする勉強は、少し楽しかったりするのかな。
「今日からテスト始まるまで一週間、よろしく!」
倖子ちゃんは張り切って、さっきまでなかなか進まなかった食事を進めた。