キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
☆☆☆

沙良の体を抱きしめたまま、朝日を見ていた。


山間から除く朝日は嫌味のように綺麗で、太陽の光でキラキラと輝く河の水面も、驚くほど素敵だった。


「朝だね」


沙良が小さな声でそう言った。


昨日は一睡もしていなかったけれど、眠気はなかった。


沙良を守りたい。


その気持ちだけで起きていることができていた。


「そうだね」


「寛太はまだ寝てるかな?」


「どうかな。あいつ寝坊助だからね」


あたしはそう言い、小さく笑った。


すると沙良も笑ってくれた。


その頬は涙でぬれて水面と同じように輝いていたけれど、あたしは気が付かないフリをした。
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