キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
「そうだね」


1つでも多くの灯篭が死者へと届けばいい。


そしてその気持ちを静めてほしい。


その願いで、あたしたちは打ち上げられた灯篭を河へと流した。


「なにしてる」


その声にハッとして振り向くと、祭りの時に声をかけてきてくれた屋台のお兄さんが立っていた。


昨日は暗くてよく見えなかったけれど、筋肉質でよく日焼けをしている。


一見ボクシングでもやっていそうな風貌だ。


「ごめんなさい。灯篭が引っかかってたから、気になって」


寛太がすぐにそう言い、頭を下げた。


「あぁ、そうだったのか。すまないな。いつもは俺が流してやるんだが、今日はお前たちが先に来てたから何をしているのか気になってな」


男性はそう言い、人懐っこい笑顔を浮かべた。
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