キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
怒ってはいなさそうで、ホッと安堵のため息を吐き出した。


「勝手な事をしてすみません」


あたしと沙良はそう言って頭を下げた。


「いや、いいんだ。時々灯篭にイタズラする不届き者がいるから、それを心配しただけだ」


「そうだったんですね」


意外な気持ちであたしはそう言った。


昨日は町中の人たちがここへ来て、お祭りを大切にしているように見えたからだ。


「こんな祭りをしたって死者は報われない。そう思っている奴もいるんだよ」


「そうなんですか? でも、昨日はあれだけの人が集まってましたよね?」


沙良が食い下がるようにそう聞いた。


「町中の人全員……ではないんだ。参加しない奴もいる」


その言葉にあたしと沙良は目を見交わせた。


お祭りに参加しない人。


それは一体どんな人なんだろう。
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