キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
「おっと。もうこんな時間だ。じゃあ、観光楽しんで行ってな」


まだ話を聞きたかったけれど、男性はそう言って戻って行ってしまったのだった。


「昨日のお祭りに参加していない人って、誰なんだろう」


男性の背中を見送りながら、沙良がそう言った。


「わからない。でもきっと……」


そこまで言い、あたしは口を閉じた。


お祭りに参加していない人は、家族や親友などがイケニエとして捧げられた人なんじゃないか。


そう思ったのだ。


被害者に近しい人なら、未だにこのお祭りに参加する気になれない気持ちはよくわかる。


あたしだって、もし沙良や寛太がイケニエとされていたらと考えると、とても町の人たちを許す気にはなれないだろう。


「おい、これ」


あたしの思考回路を遮断するように、寛太が声をかけて来た。
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