キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
駐車場に車も停まっていないし、誰もいないのかもしれない。


「すみません! 誰かいませんか!!」


寛太が大声を上げはじめた。


あたしも同じように、家の中へむけて「誰かいませんか!?」と、声を上げる。


ここで引き下がってはすべてが水の泡になってしまう。


ようやくここまでたどり着いたんだ。


絶対に松田裕という人物に会って、話をする必要があった。


執拗に声をかけていると、隣接して建てられている物置の方から物音が聞こえて来た。


あたしと寛太はすぐにそちらへ移動した。


「誰ですか?」


怪訝そうな声と共に、扉が開かれる。


そこに立っていたのは20歳前後に見える、青年だった。


綺麗な顔立ちをしていて、スラリと背が高い。


「突然おしかけてしまってすみません。あの、俺たち松田裕という方を探しているんです」


「松田裕なら、俺のことだけど」
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