キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
目を丸くして「ミズキ」と、なにもない空間へ向けて呟く。


松田裕にはミズキさんの姿が見えているのかもしれない。


その表情は一瞬にして怯えたものへと変化した。


「ミズキ、お前……」


「あたしはゆっくりと眠っていたかった。もうここへは戻ってきたくなんてなかった! あなたがいる町でも、もう二度と……!」


ミズキさんの悲痛な叫びが家中に響き渡る。


それは地震のようになってガラス窓を揺らしていた。


「ミズキ……」


松田裕は自分のしていたことがどれだけ身勝手だったのか理解したようで、唖然とした表情で空間を見つめている。


「ごめんミズキ。ごめん……」


松田裕の手が空間へと伸びる。


その時だった。


4人の男が逃げようとして立ち上がった。
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