キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
あたしでもきっとこの人と同じことをしただろう。


男は食料も買いこんできているようで、今日はもう一歩も動かないと決めているようだった。


『それで、もし本当に俺が死んだら、その時はあの動画が送られてきたからです。俺は死にたくない。絶対に死にたくなんかないんです!』


男の体の震えは強くなっている。


何かを感じ取っているかのようにしきりに部屋の中を見回す。


『誰かあの動画を止めてください。俺が死んだら――』


男の言葉はそこで途切れた。


画面上の男の体がフワリと浮き上がり、天井まで届いたかと思うと床へ思いっきり叩きつけられるのを見た。


唖然として、声も出なかった。


男の悲鳴が画面から聞こえて来る。


咄嗟に、耳を塞いでいた。


男の体がまた宙へ浮かび、床にたたきつけられる。

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