キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
綺麗だったその顔は血に染まり、歯が欠けて口の中まで真っ赤になっている。


それでも見えない力によっての上下運動は止まらない。


男性が血を吐き、部屋中が真っ赤に染まる。


「と……止めて!」


沙良の叫び声にハッと我に返り、あたしは動画を停止した。


心臓は口から飛び出てきそうなくらい、早く打っている。


汗もびっしょりとかいているのに、その場から動くことができなかった。


「……きっと、演出だよ」


10分以上時間が経過してから、あたしはようやく一言そう言った。


沙良が真っ青の顔のまま膝を抱えている。


「最初から、あんな風に撮影するようになってたんだよ」


あたしは呼吸を整えてそう言った。


「本当に偽物だと思う?」


そう言う沙良の目に涙が浮かんだ。
< 85 / 242 >

この作品をシェア

pagetop