大切なキミへ。

ーｷﾞｭｯ


｢な、なに？｣

｢よかった…無事で…｣







普段の遥からは想像もできないほど、話す遥の声は焦っていて。




抱きしめられている私は、そっと遥の腰に手を回す。







｢ごめんね…遥。｣

｢名前で呼ばれると…昔を思い出す。｣

｢…っ。ごめん…｣

｢いや。叶愛に名前呼ばれるの好きだったよ。｣






なんの恥じらいもなく、遥は私を離さない言葉を放っていく。