大切なキミへ。
「佐崎から聞いたよ。」

「…ん?」

「ママたちが好きで結婚した、って。
お互いお見合い相手がいたのに。」

「そう…」






私の背中を擦りながら答えてくれるママ。





「確かにその通りよ。」

「……」

「駆け落ち、とまではいかないけど…好きで結婚したわ。」

「……」

「最終的には両親も認めてくれて、今に至る。」






そう話すママは、嬉しそうでどこか寂しそう。
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