レモンサワー

入院3日目

やっとご飯が食べれるようになってきた。

でも、まだ辛くて3分の1も食べられない。

ため息をつきながら髪の毛をとかす。

3日もお風呂に入ってないので、ギトギトしてて気持ち悪かった。

私はパジャマのまま病室を出て(病院では普通なのだけど)、1号棟に向かった。

そこでは知り合いのお母さんが、内科医をやっており、話をしようと思ったのだ。

結局いなかったのだけど、有力な情報を手に入れた。

それは看護師さん達の会話だった。

「〇〇くん、あんな若いのにかわいそうにね。」

「また屋上にいるのかしら」

という噂話。

私は気になり、すぐに屋上に向かった。

誰か、いる。

でも違う人かもしれない。

屋上の扉が大きい音を立てて閉まり、その人はこっちを向いた。

目が合う。

その人は、有り得ない程に色が白く、美しい顔をした男の子だった。

「ねえ、君も病気なの」

男の子は言った。

この状況で話しかけられているのは私しかいないので、これは私への質問だと悟った。

「えっ、あっ、はい。」

私は驚きと緊張で返事をした。

「僕は〇〇。よろしく。」

「よろしくです。」

こんな会話をして、私は何だか辛くなって、自分の部屋に戻った。
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