この幼なじみ要注意。
どうも、この距離には慣れない。
青井くんといい、知紘といい、どうしてこんなに近づいてくるかな……。
また、おさまっていた、胸の鼓動がはやく動き出す。
「……そんな顔して。アイツにもそんな顔見せたの?」
掴まれた手首にグッと力がこもって痛い。
「い、いた…い…」
必死に抵抗しようとして、顔を正面からそらしたのに
「……こっち見て」
手首を掴む手とは反対の手で器用にわたしの頬に手を添えて、視線をそらすことを許さない。
手首を掴む手は乱暴で、痛くて……
それなのに、頬に添えられる手の触れ方は、まるで大切なものを包み込むように優しいなんて……。
「そ、そんな…乱暴にしないで…っ」
再び知紘の瞳に訴えかけても
「……そんな風に言われても逆効果なんだけど」
揺るがない。