この幼なじみ要注意。
ずっと、変わらなかったこの関係に初めて訪れた変化に戸惑いが隠しきれない……。
だから、現に休みの日の間、知紘とは会ってないし、連絡もしていない。
だけど休みの間も、わたしの頭の中は知紘のことばかり……。
会ってないのはたったの2日なのに、どうしてわたしは今、目の前の扉の前でこんなに緊張しているんだろう。
いつも通り……いつも通りにすればいいって言い聞かせているのに。
なぜか、いつも通りにできる自信がない。
━━━ガタンッ…!
グッと握っていた扉のノブに力が入りすぎて、勢いでガタンっと扉が開いてしまった。
「あ……」
やってしまったと、心の中の自分がつぶやく。それが声に出てしまった。
開いた扉から中をそっと覗いてみると、そこに知紘の姿はなかった。
いつもわたしが来る前に起きていたことなんかなかったのに。
どうして、今日はいないの……?