この幼なじみ要注意。
青井くんの問いかけを無視して、そのまま知紘の席に近づく。
「……なに」
知紘の席の前にきて、立ち止まったら、不機嫌そうな声を出してわたしの方から顔を背けた。
「なんでそんな怒ってるの……?」
「……別に怒ってないし」
「嘘つき。さっきこっち睨んでた」
ねぇ、ちゃんと教えてよ……。
知紘がなにを考えてるのか、なにを思ってるのか、わかるように教えてよ。
「はぁ……」
「なにそのため息……っ」
そんなあからさまに面倒くさそうにため息つかなくてもいいじゃん……。
もう、わからない。ますます知紘のことがわからない。
「……美依にとって僕ってなに?」
ははっと、力無く笑った知紘を見て、胸がギュッと苦しくなった。
どうして、そんな顔するの……?
どうして、そんなこと聞くの……?