この幼なじみ要注意。



いつもなら、お互い考えることはほとんどわかるのに。


幼なじみだから……誰よりも近くにいて、特別な存在なのに……。


今は、そんな特別全然感じない。


グッと下唇を噛み締めて、今にも溢れそうな涙をグッとこらえた。


そんなわたしを見て知紘は


「……泣くとかズルい」


そう言いながら、優しく指で涙を拭ってくれる。


ほら、まただ……。こうやって触れると、落ち着かない。

こんなに知紘を意識する日が来るなんて、想像していなかった。


「泣いて、ない…もん……」


「嘘つき。そんな涙溜めてるのに」


どうして、こんな風に強がっちゃうんだろう。

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