この幼なじみ要注意。



わからない……。

そうだ……わたしはいつも、わかっているつもりでいただけなんだ。


ほんとは何もわかってないくせに。



「美依にとってやっぱり僕はただの幼なじみでしかないんだね」


「ち、ちひ……」


「いろいろ疲れた、もう限界。
やめた、もう全部やめた。美依のそばにいる自分が惨めすぎて嫌になった」


知紘の口から次々と出てくる言葉が胸に刺さる。


まだ引き止められるはずなのに。
きっと、ここで引き止めないと、もう2度と戻れないのに……。



「……もう美依はいらない」



いちばん言われたくなかった言葉が胸に刺さった……。


こんなにも簡単に終わっていくんだ…


ストンっと力無くその場にしゃがみ込んだと同時に

じんわり、瞳が涙でいっぱいになってポタポタと大きな粒が下に落ちていく……。

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