この幼なじみ要注意。



わたしが顔を上げてって言っても、ずっと下げたまま。


「青井く……」


そのまま青井くんの肩に触れて、なんとか顔を上げてもらおうとした。

だけど、できなかった。



一瞬、手を掴まれたと思ったら
そのまま優しく引かれて


「……このまま聞いてほしい」


大きな身体に包み込まれた……。


「あ、青井くん……」


「今だけ……このまま聞いて」


耳元で聞こえる声……それだけでわかってしまう。どんな顔をしてるのか、どんな気持ちでわたしにこんなこと言ってるのか……。


だから、わたしは何も言わずただ無言で頷いた。


「少し昔の話してもいい…?」

「え?」


「昔って言っても1年前の話なんだけど」

「う、うん」


わたしが返事をすると、スゥッと一呼吸おいたのがわかる。

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