この幼なじみ要注意。



それからいろいろ話をしていくうちに、千夏ちゃんはお兄ちゃんと買い物に一緒に来て、はぐれてしまったということがわかった。


「じゃあ、お姉ちゃんと一緒にお兄ちゃん探しに行こっか?」


華との約束の時間は過ぎちゃったけど、千夏ちゃんのお兄ちゃんを見つけるのを優先しないとって考えて、そう言ってみたら。


なにやらジーッとわたしを見つめる千夏ちゃん。


「それ、ほしい…っ!!」

「え?」


「おはなおはな!!」


「あ、これかな?」


千夏ちゃんが欲しいと言っていたお花っていうのは、その日わたしが髪を留めていた白の小さな花のピンだった。


「かわいいかわいい!」

「よしっ、じゃあこれ千夏ちゃんにあげる」


そのまま自分の髪からピンをとって、千夏ちゃんの髪に留めてあげた。

< 177 / 317 >

この作品をシェア

pagetop