この幼なじみ要注意。
「小波くんとケンカでもした?」
「っ、どうして……」
「いつも一緒に登校してくるのに一緒じゃなかったから」
これってケンカって言えるの……?
だって、もうこれは戻れないって。
きっと知紘はわたしから離れてこのまま戻ってこない。
もう……わたしはいらないんだから
「そんな泣きそうな顔しないで」
スッと青井くんの指がわたしの瞳に溜まる涙を拭った。
それと、同時に始業のチャイムが鳴ったのが耳に届いた。
「教室いけそう?」
「うん…大丈夫……」
もう余計なことを考えないようにして、一度だけ指で目をこすって、青井くんとふたり、少し遅れてホームルームへ向かった。