この幼なじみ要注意。
なんだ……わたしがいなくてもちゃんと学校来れてるじゃん……。
朝、少しでも心配して足を止めた自分がバカみたい。
どうしてわたしばっかりがこんなに知紘のことでいっぱいになってるの……?
気づいたら知紘のことばかり。
いままでそばにいるのが当たり前だった存在がいなくなることがこんなにも辛いなんて知らなかった……。
「ちょっと、美依?なんかあったの?」
席に着くと、すぐさま華から声をかけられた。
動揺するとまた心配をかけてしまうと思い、嘘が下手な自分なりに精一杯の言葉と顔を作る。
「う、ううん。なんでも…ない」
目の前に知紘がいる手前、ここで話すわけにはいかない。
これ以上話を広げられないように、華のほうは向かずただひたすら教科書の準備をしたり、先生の話を聞いたりしてやり過ごした。