この幼なじみ要注意。
それを見て動揺したのか身体が動いてしまって
━━━ガタッ…!
音を立ててしまって、そのままふたりの前に姿を見せてしまった。
「あれ〜、なぁんだ幼なじみちゃんいたんだ?」
すぐさまふたりに見つかってしまい、完全に逃げ場を失った。
そして、女の子は知紘から離れて、わたしの方に近づいてきて。
「ねぇ、知紘くんのこと貸してくれる?」
「え……」
「ほら〜、いつも知紘くんあなたのことしか見てないから相手にしてくれないんだけどさ〜。でも今ならチャンスあるのかな〜って」
「っ……」
ここでわたしがダメって言ったところで、知紘はどうする……?
というか、わたしがダメとか言う権利なんかそもそもない……。
それは向こうもわかっているようで。
「まあ、ただの幼なじみちゃんがダメとか言う権利無いよね〜」
自分が考えていたことをはっきり言われてそれが胸に刺さる。