この幼なじみ要注意。



っ……。


なんだ、何も言わないで行っちゃうんだ。

もう話す気すらないってこと?


あぁ…なんで傷ついてるんだろう。
これでいいじゃん。


どうせ後で気まずくなるなら、ひとりで掃除する方がマシだって思ってたのに。


どうして、こんな重苦しい気持ちになってしまうんだろう……。


ある程度片付くまで帰らせてもらえないから、ひとりでやらなくちゃいけないってことは明日も居残り。


誰にも気づかれないよう、ひとりため息を漏らしながら知紘たちの方は見ずに、教室をあとにした。



***



教室を出てから少し歩いて旧館にやってきた。

中に入り、すぐに図書室を見つけてそのまま扉を開けて見て驚いた。


中は本が山積みに積まれた机。
プリントが床に散らばっていて、ほこりっぽい。


すぐに窓を開けて空気の入れ替えをした。


「はぁ……これひとりで終わるのかな」


なんだか終わる気がしなくなってきた。だけど終わらないと明日も残らないといけなくなってしまう。それだけは避けたい。


「よし、がんばろ…」


髪を後ろでひとつで束ねて、掃除を開始した。

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