この幼なじみ要注意。
ドンっと鈍い音がする。
もちろん、これはわたしが踏み台から落ちたから。
だけど、身体は全然痛くない。
本来なら身体は床に落ちているはずだったのに……
ふわりと、甘い香りが鼻を掠める。
ギュッと、その温もりに包まれると安心できるんだ……。
あぁ……誰かなんて顔を見なくてもわかる。
どうしてかって……?
「……な、なんで…いるの……っ」
床に落ちるはずだったわたしの身体は
優しい温もりに包まれていた。
「……ほんと危なっかしい」
「っ、なんで……知紘がここに…っ」
そう、わたしの落ちそうだった身体をキャッチしてくれたのは知紘だった。
帰ったと思っていた知紘の姿があることに驚いているのと、
こんなに近くで触れられるのが久しぶりで、自然に鼓動が速くなっていく。