この幼なじみ要注意。



「……そっちこそ何でひとりでいなくなってんの?」


「だ、だって……っ、掃除のこと言わなかったの悪いのわたしだし、それに予定あったでしょ……?だ、だからわたしひとりでやった方がいいと思って…っ」


久しぶりに話すせいか声が震えて、いつも通りに前みたいに上手く話せない。


「……それで危ない目に遭ってたら意味ないってことくらいわかんないの?」


そんなこと言いながら抱きしめるなんて……ほんと何考えてるの?


冷たく突き放したり、こんな風に優しく触れたり……


よくわからない人……


「知紘だって、無言でわたしの前からいなくなった…じゃん」


「あれは相手の子に断りにいってただけだし」


なにそれ……だったら一言そう言ってくれればいいのに


「約束……してたのにいいの…?」


あ…余計なこと聞いてる。
こんなこと聞く必要ないのに。


「なに、行ってほしいの?」

「ち、ちがっ……」


わたしから離れようとして、そんなことを言うものだからとっさに抱きついた。

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