この幼なじみ要注意。
そのまま図書室を出ようとしたら
「……やっぱりバカ」
「え?」
そんな声が聞こえたものだから、振り返って見るとなぜか呆れた顔でわたしを見ていた。
ため息をつきながらわたしに近づいてきて、そのまま図書室を出てスタスタと歩き出してしまった。
「え、ちょっ、どこ行くの」
そのあとを追いかけると、こちらに振り返って。
「職員室行くんじゃないの?」
「だ、だからそれはわたしひとりで行くから……知紘は先に帰っても大丈夫だよ…?」
ほんとは面倒なことに付き合って疲れてるくせに……。だから、もう早くひとりで帰ってくれていいのに。
振り返った知紘の顔はむすっとしていた。
ねぇ、どうしてそんな不機嫌そうな顔するの?