この幼なじみ要注意。
ひとり動揺しているわたしの横をそのまますり抜けて、ベッドのサイドテーブルにお盆を置いた。
「ほら、良くなったからって調子乗らないでちゃんと寝て」
「調子なんか乗ってないもん……」
「美依は昔からそーやって調子乗って風邪ぶり返すから」
「うっ……」
変なの……ほんの少し前まではこんな風に会話することすらできなかったのに、
お互いの距離も遠くて、話せずにいたのに。
言われた通り、風邪をぶり返すといけないので大人しくベッドに戻った。
そんなわたしに知紘は
「いい子じゃん」
そう言いながら、大きな手で頭をポンポンと撫でた。
っ……、悔しい……。
こんな簡単に触れられただけなのに
嬉しくて、恥ずかしくて仕方ないなんて。