この幼なじみ要注意。
「それボケてんの?」
「ぼ、ボケ?」
いや、今の会話でボケるところなんかなかったと思うんだけど。
「ほんと勘弁してよ……」
持っていたお箸を置いて、そのままイスからガタンっと立ち上がって
「美依にしかこんなことしない」
後ろからわたしをギュッと抱きしめた。
「ち、ひろ?」
「……誰にでもキスなんかしない」
ギュッて抱きしめる力が強くなった。
「美依だけ……」
いつもより、知紘の声が少しだけ弱く感じたのは気のせい?
「ど、どうして?」
「これ以上は言わない」
きっとこれ以上聞いても言ってくれないだろうなって諦めた。