この幼なじみ要注意。



「それボケてんの?」

「ぼ、ボケ?」


いや、今の会話でボケるところなんかなかったと思うんだけど。


「ほんと勘弁してよ……」


持っていたお箸を置いて、そのままイスからガタンっと立ち上がって


「美依にしかこんなことしない」


後ろからわたしをギュッと抱きしめた。


「ち、ひろ?」

「……誰にでもキスなんかしない」


ギュッて抱きしめる力が強くなった。


「美依だけ……」


いつもより、知紘の声が少しだけ弱く感じたのは気のせい?


「ど、どうして?」


「これ以上は言わない」


きっとこれ以上聞いても言ってくれないだろうなって諦めた。

< 24 / 317 >

この作品をシェア

pagetop