この幼なじみ要注意。
「……なにその不満そうな顔。もしかして外した?」
「悔しいくらい当たってる」
「じゃあ素直に喜んで受け取りなよ」
「なんか知紘の思い通りで気に入らない」
「なにそれ」
たぶん朝の遅刻だって。
ほんとなら拒めたはずなのに……
押し返して抵抗して…それができたはずなのに
拒めなかった自分がいたのも事実。
きっと知紘はわかってる。
わたしが拒めないってこと。
わたしが知紘の甘さに完全にはまってしまっていることを知ってるはず。
これも知紘の思い通り。
平然とした顔でパクパクとパンを食べ始めた知紘の隣にストンっと腰を落とす。
お昼休みだっていうのに屋上には全然人がいない。ふたりっきり。