この幼なじみ要注意。



フッと笑いながら、わたしの瞳をジッと見つめて、そしてそっと耳元で……


「だって、僕には美依がいるから」


……そう囁いた。


「ち、ちひろ……っ」

「今日の美依はくっつき虫だね」


すぐ知紘の胸に飛び込んだ。
どうしよ……そんなこと言ってもらえるなんて嬉しすぎるよ……っ。


「だいたい、こんな可愛い美依がそばにいるんだから彼女とかいらない」

「よ、よかった……っ」



「ふっ、なに不安だった?」

「ぅ……」


どうしてそんな嬉しそうな顔して聞いてくるの?


「そーやって、どんどん僕のことでいっぱいになればいいんだよ」


いつだって、わたしよりも知紘の方が一枚上手。

だから、勝てる気がしない。

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