この幼なじみ要注意。
すぐに明かりを探そうと思っても、肝心のスマホが見当たらない。
あ、カバンの中に入れっぱなしだ…。
真っ暗すぎて、カバンがどこにあるかすらわからない。
下手に動くと危ない予感しかしない。
「うぅ……もうなんで…っ」
さっきまで気を紛らわすためにつけていたテレビも停電で消えてしまっていて、今この部屋には外の雨音と雷の音しか聞こえない。
こんなことなら、スマホくらいちゃんとカバンから出して手元に置いておけばよかった……。
今更になって自分の間抜けさに後悔した。
ゴロゴロ音が鳴る中、ひとりで耐える。
「うぅ……ちひろ…っ」
こんな時わたしが頼れるのはやっぱり知紘しかいない。
さっきまで強がってたけど、知紘がいないと無理……。
お願いだから早く帰ってきてよ…っ。