この幼なじみ要注意。



「図書委員が当番制で片付けてるんだがな。それでその当番がお前たちに回ってきたってわけだ。」


「ガーン……ショック」


「お前、口に出すほどそんなにショックか?」


おっと、いけない。なに変なこと口に出してるんだ!!


「だって早く帰りたいですもん」

「まあ、これも図書委員の宿命だ」


宿命ってこんなときに使う言葉だった?


「いつもの相方もちゃんと連れて行くんだぞ、いいな?」


相方って、わたしと知紘は漫才コンビじゃないっての。


先生はそのまま、職員室に戻って行ってしまった。


教室の中を見渡すと、誰もいなくなっていた。みんな帰るの早すぎじゃない?


肝心のわたしの相方とやらは、お昼休みから姿が見えない。


午後の授業をサボって、どこかで昼寝でもしてるんだろうな。

カバンはあるからまだ帰ってないはず。


仕方ないなぁ……探しに行くか。
そう決めて、教室を出ようとしたとき。

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