この幼なじみ要注意。



「美依ちゃん」

名前を呼ばれて、腕を引かれて、振り返ってみると。


「青井くん!」


あれれ、青井くんいたの気づかなかったなぁ。


「どっか行くところ?」

「あ、うん。知紘探しに行こうと思って」


たぶん保健室か屋上にいるだろうなぁ。あ、でも今日は暖かいから屋上の方が可能性高いかも。


「へー、どうして?」


「さっき先生からね図書委員だからって旧館の図書室の整理頼まれちゃって。ほら、わたしと知紘図書委員だから!」


「あー、委員会も一緒なんだ」



グッと腕を掴む力が強くなったような気がした。


「あ、青井くん?」

「よかったらそれ俺が手伝うよ」


「え?いいよいいよ!!知紘探してふたりでやるからだいじょ……」


「ふたりっきりにさせたくないから」


「へ……?」

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