この幼なじみ要注意。
後ろからグイッと引っ張られ、身体がそのまま声の主の方に倒れた。
もちろん、声だけでわかるけど、
抱きしめられた感覚でもわかるなんて。
「僕の美依に手出さないでくれる」
「僕の、ね」
そう、いまわたしを抱きしめてる、この腕は知紘だ。
まさかの突然の登場。ってか、いつ戻ってきて、いつからここにいた?
気になるけど、聞けない。聞いちゃいけない空気が流れている。
後ろで抱きしめる知紘と、正面にいる青井くんの間に流れる空気がピリピリ。
知紘は睨んでいるようで、青井くんは怒りながら笑っているよう。
どう見ても、空気は最悪。
だけど、どうしてこんな空気になってるのかわからないバカなわたしはふたりを交互にキョロキョロ見るだけ。
「美依ちゃんって別に小波くんのものじゃないでしょ?」
「だから何?」