赤髪の彼
「いいジャーン。西島くんのこと好きになれば一石二鳥じゃん!」


「もう、やめてよ」



本当に好きになってしまいそうで。
西島くんの唇をしってしまったら、それしか頭には残らなくて。

なんで!?
あんな人怖いだけじゃん。

でも、知ってるんだよ。
本当はすごく優しいってこと。

でも、あたしはそれに気づかないふりをする。



「西島くんって中学の頃から有名不良だったって」


「あー。海里が言ってた。でも、高校入ってからはあんなんだけどちゃんと学校もくるし、喧嘩もしてないんだよー」



他人事のようにわーと拍手をする陽菜。
まぁ、他人事なんだけど。



「なにがあったのかな?」


「さぁー?入学式の時に派手に喧嘩してさ」


「うわー」



想像通りすぎて笑えた。



「1週間停学で、そのあとからはちゃんときてるよ」


「陽菜は怖くないの?みんな怖がってるんでしょ?」



あたしならたぶん周りに同調する。

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