赤髪の彼
「これ、食べませんか?」


お昼。
あたしは持ってきた弁当をテーブルに広げる。



「わー!やったー!あゆの料理めっちゃうまいんだよ」


「へー!ありがとう!あゆちゃん。いただきます」



って逢坂くんが爪楊枝に手を伸ばそうとする。



━━パシんっ

とその横にいた西島くんが逢坂くんの手を叩く。



「西島いてぇよ!」


「…先に食ってんなよ」



むすっとした顔になる。



「ちょ、西島くん?」


「俺にだけ作ればいいのに」



まだむすっとしてる。



「なんだよー。ヤキモチかよー」


「え!?」



そんなヤキモチなんて西島くんがやくわけがないのに。
だって西島くんが好きなのは陽菜だよ?

それでもあたしの期待は膨らんでしまう。
だって好きなんだもん。



「あと、玉田にはあまり近づくなよ」



西島くんが思い出したように発する。



「なに、あゆちゃん玉田と知り合い?」


「同じクラスらしいよ」


「へぇ。それは危険」



玉田くんのなにが危険だというのだろうか。

< 25 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop