赤髪の彼
「玉田くんが危険って本当だったんだね」


「あぁ。…たく信じろよな彼氏を」



あたしの頭をグシャってなでる。



「でも、あんなに守らないって言ってたのにあたしの悪口で怒るなんて…」


「だっていやだろ。陽菜だってお前の親友だろ?そんな悪口誰も聞きたくないだろ」


「あ、そうだね」



期待してた気持ちが一瞬にしてつぶれる。

あたしを庇ったんじゃない。
陽菜のことを思って殴ったんだこの人は。
つくづく思い知らされる。
この人はあたしのことなんてみてないっていう現実。



「でも、勘違いしてたよ?」


「は?誰が、なにを」


「逢坂くんが。悪口言われてもいままで殴ったりしなかったのに、本当に好きなんだなぁって」


「…あいつ」



持っていた空き缶を握りつぶす。

そ、そんなに勘違いされたのが嫌ですか。
べつに本当になるわけじゃないしいいでしょ。

そこはそれで終わらせてくれよ。
悲しくなるから。

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