赤髪の彼
「待てよ」



グイッと腕を引っ張られてそのまんま西島くんの足の間に埋まってしまう。



「あっ、ごめん」


「ここまで引っ張られるとは思ってなかった。お前ちゃんと食ってんのかよ」



足の間にスポンっと埋まってしまったあたしはそのまま後ろから西島くんき抱きしめられる。



「た、食べてるよ!」


「だからさ、なんでいつもビクついてんの?そんなに俺が怖い?」



こ、怖いよ。
怖いけど好きなんだよ。
だって、西島くん自分がいつも怖い顔してるって気づいてないの?
あたしと話してる時なんか常に眉間にシワよってるし。



「…怖いよ」


「そーかよ」



あたしの言葉にあたしを抱きしめるのをやめて立ち上がる。



「でも、好きだから」


「は?そんなん好きじゃねーだろ。笑わせんな」



〝笑わせんな〟
そう発した彼の顔はなんだかとても傷ついた顔をしてた。

あたしが傷つけてる?
なら、どうしたらいい?
どうしたら西島くんは傷つかなくて済むの?

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