赤髪の彼
「西島くん…?」


「陽菜のことなんて好きじゃねぇよ!バカじゃねーの?」


「ええ!?」



嘘でしょ?
だれか嘘だと言って。
じゃあ別の誰かを好きだっていうの?



「いつ俺がそんなこと言った?」


「西島くんは言ってないけど…」


「お前が勝手に想像してたことだよな?」



西島くんの言葉に素直に首を縦に振る。

たしかに勝手な想像だけど。
でも、そんな想像をさせたのは西島くんだよ。



「勝手な想像で俺の気持ち決めんじゃねぇよ」


「それはそうだけ…んっ」



強引に重ねられた唇。
強引に割入れられた舌。

彼のキスの虜になってしまいそうになる。
なんでこんなにあたしを惹き付けるキスをするんだろう。



「俺、そんなテキトーなやつに…こんな格好してっからか?」



自分の髪の毛を触る。



「え?」


「俺が髪の毛黒くでもしたらお前は信じる?俺がテキトーなやつじゃないって」


…そんなこと思ってるわけじゃないのに。
何も言えない自分に腹が立つ。

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