赤髪の彼
「お前、赤い髪でも俺のこと信じる?」


「信じる信じないって何なの?昨日から」



あたしの言葉に盛大な溜息をつかれる。



「もうなんも言わねー」


「え?」


「俺が何言ってもお前の心には響かねぇだよな」



なぜだか項垂れている西島くん。



「何にそんなにショックうけてるの?」


「お前な…んとにムカつく!」



髪の毛が黒いから?
今日は西島くんの眉間にシワが寄っててもなぜだか怖くない。
それなら髪の毛が黒い西島くんもいいかもしれない。



「ところで、あたしたちってまだ付き合ってる?」



昨日からずっと疑問だったことを伝える。
本当は聞かないでおこうかと思った。


〝別れてるよ〟
なんて言われるのが怖くて。
でもそれならもう1度頑張ればいいんだよね。

って、この前は頑張ってないけど。
だから今度は本当に好きになったあたしが頑張るの。



「お前の脳みそ割りたい」



なんて物騒なことと盛大な溜息をつく。

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