赤髪の彼
「はぁ、俺が付き合わないとってあいつら一生付き合えねぇよ」



なんで俺がこんなことに巻き込まれんだよ。
陽菜は陽菜でめっちゃ落ちてて、めっちゃLINEしてくるし。


もう絶対に会えないから、あいつらも付き合えないのかとなんだか申し訳ない気分になってくる。
俺は悪くないのに。



「はぁー。めんどくせ」



そう口にして地元の駅についたときだった。
ベンチの上に立ってるあの子を見つけたんだ。


…嘘だろ。
なんでこの駅にいるんだよ。
ここの駅使ってる?
なんでいままで会わなかったんだよ。


つーか、なんでベンチの上に…?



彼女の前に辿りついたとき、彼女が上を向いて呟いたんだ。



「好きだなぁ…」



空を見てるから、空がすきなかんじの空だったんだろ。
上を見てみればたしかにきれいだった。

話しかける言葉何でなんでもよかったし、たぶん他にもあった。


ただ、気がついたら言ってた。



「お前、俺が好きなの?」


言ったあと何言ってんだ。
終わったって思った。

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