赤髪の彼
「はい!?」



そう返事するこの子に賭けたいとおもった。
ごめんね、俺のことなんか好きじゃないだろうけど。

その〝はい!?〟を肯定と捉えてやろう。
俺のひねくれた考えは止まらないらしくて。



「そうか、好きなのか」



自分勝手にも程があるけど、君の意思なんてどうでもよかったんだ。
だから好きな子と付き合えた俺はすぐに逢坂に報告とした。

でも、その前にと彼女の携帯を奪って連絡先交換しようとすれば、LINEに見えてきた〝逢坂海里〟の文字。


聞いてみれば

「友達がね、同じクラスみたいなんだけどすっごい振られ方したみたいで」だって。


なんだ、陽菜の友達なら話が早い。
もうこの子も連れてこうっておもった。


こんなことしてていつか離れてってしまう不安がたくさんあった。
でも、付き合いたかった。それでも。


結局、俺のことを怖がるのは彼女も一緒で。
だから、間違えたなんて言えないだろうって利用した。



「好きだよ」


隣で眠ってる彼女の額にキスを落とす。

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