ああ、もう、本当に大好き
観覧車が登っていく。
2人に会話はない。
ほぼ頂上に着いた時、いきなり山下が声を発した。
『西川さぁ』
『何?』
『何に遠慮してんのか知らないけどさ』
『だからしてないってば』
『俺の前では自分らしくいればいいよ』
『訳分かんない。
山下は人気者なんだからこんな奴に構わなくても
いいのに』
『訳分かんなくていーよ。
俺がしたいからそうしてるだけ』
『…なんか、ありがと』
『ん。どーいたしまして』