ああ、もう、本当に大好き

観覧車が登っていく。

2人に会話はない。



ほぼ頂上に着いた時、いきなり山下が声を発した。

『西川さぁ』

『何?』

『何に遠慮してんのか知らないけどさ』

『だからしてないってば』

『俺の前では自分らしくいればいいよ』

『訳分かんない。
山下は人気者なんだからこんな奴に構わなくても
いいのに』

『訳分かんなくていーよ。
俺がしたいからそうしてるだけ』

『…なんか、ありがと』

『ん。どーいたしまして』
< 38 / 95 >

この作品をシェア

pagetop