ああ、もう、本当に大好き
──女子100mバタフライに出場する選手は、招集
所に集まってください──
放送がかかった。
私が出る種目ってこれだったっけ、と、ぼうっとした頭で考えながら、招集所へ向かう。
「美咲!頑張ってね!」
『うん…』
麗の応援も上の空で聞いていた。
久々に泳ぐ種目がこれだなんて、神様は絶対仕組んでる。
観覧席に戻ってきた山下に声をかけられた。
『お前、いきなり泳ぐとか大丈夫かよ。
しかも100mバタフライとか…』
『大丈夫、知ってるから』
『え?』