ああ、もう、本当に大好き

選手の紹介が終わり、何十回、何百回と聞いてきた、スタートの合図がかかる。



──覚悟して、ここに立ったはずなのに。

頭が、真っ白になった。

あぁ、今になって思い出すなんて思ってなかった。



それでも、スタートの合図は待ってはくれない。







_____ピッピッピッピッ、ピーーーッ。








_____Take your marks … ピッ!









合図の、刹那。


私は水中に静かに飛び込んだ。
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