ああ、もう、本当に大好き

山下が息を呑む。

山下が掴んでいた手を、私は振りほどいた。



今日は、保健の先生も、体育館や外に引っ張りだこなんだろうな。

なんてったって、体育フェスティバルだし。



私は、やけに冷たい頭でそんな事を考え、迷う事なく保健室に歩を進めた。




ふと足を止め、振り返った。



『もう隠し通せないだろうし──』

『…』

『──聞きたいなら、ついてくれば』




混乱していた様子だったが、
山下は黙ったまま私の後をついてきた。

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